タイトル |
Combined effects of constant temperature and radio frequency exposure on Aedes mosquito development
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日本語タイトル |
一定温度と高周波ばく露がネッタイシマカの発育に及ぼす複合影響
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著者 |
Dom NC, Dapari R, Halim NMHNA, Rahman ATA
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所属 |
Faculty of Health Sciences, Universiti Teknologi MARA (UiTM), UITM Cawangan Selangor
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資料区分 |
論文
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雑誌名 |
Sci Rep
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文献区分 |
原著論文・短報
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発表年 |
2025
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周波数区分 |
高周波(300kHz-30GHz)
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巻/ISSN(号):ページ |
15: 30571
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研究区分 |
動物研究
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国 |
Malaysia
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PubMed ID |
40835646
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論文情報入手日 |
2025-08-16
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DOI |
10.1038/s41598-025-09383-3
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キーワード |
Ae. aegypti; Ae. albopictus; Developmental stages; Radio frequency; Temperature; Vector control.
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概要 |
デング熱、ジカ熱、チクングニア熱などの蚊媒介性疾患は、特にマレーシアのような熱帯地域において、公衆衛生上の重大な脅威となっている。ネッタイシマカとヒトスジシマカはこれらの疾患の主要媒介動物であり、その発育段階は環境要因に非常に敏感である。温度が蚊の生態に影響を与えることはよく知られているが、高周波(RF)電磁界ばく露などの人為的要因の潜在的な影響については、まだ十分に調査されていない。この研究は、温度とRFばく露がこれらの蚊の種の発育段階に及ぼす複合的な影響を調べた。4つの温度条件(20 °C、25 °C、30 °C、35 °C)と3つのRFばく露レベル(900 MHz、18 GHz、およびRFばく露なしの対照群)を組み込んだ要因実験設計を採用した。孵化、幼虫、蛹化、成虫羽化の各段階における発育期間を、管理された実験室条件下で毎日モニタリングした。データは二次応答曲面モデルを用いて解析し、温度とRFばく露の主な影響と相互作用を評価した。その結果、発育期間に影響を与える主要な要因として温度が浮かび上がり、最適条件は30~32℃で観察された。特に18 GHz帯におけるRFばく露は二次的な調節因子として作用し、特定の温度条件下で発育段階を加速させた。ネッタイシマカ(Ae. aegypti)は、環境変動に対する適応性と回復力が高いヒトスジシマカ(Ae. albopictus)と比較して、温度変化に対する感受性が高いことが示された。相互作用の影響は中間温度(25-30℃)で最も顕著であり、RFばく露は相乗的に発育期間を短縮した。しかし、極端なRFばく露レベルと最適ではない温度は、発育期間を延長させた。この研究は、蚊の発育における温度の重要な役割を強調するとともに、特定の条件下ではRFばく露が潜在的な調節因子となる可能性を明らかにした。この結果は、媒介動物管理戦略において環境要因と人為的要因の両方を考慮することの重要性を強調している。今後の研究では、これらの相互作用の根底にある分子メカニズムを解明し、予測モデルを改良し、急速に都市化が進む地域における媒介動物管理の取り組みを強化する必要がある、と著者らは結論付けている。
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