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最終更新日:2025-08-20

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タイトル Proteomic Characterization of Human Peripheral Blood Mononuclear Cells Exposed to a 50 Hz Magnetic Field
日本語タイトル 50 Hz磁界にばく露したヒト末梢血単核細胞のプロテオーム特性評価
著者 Bracci M, Lazzarini R, Piva F, Giulietti M, Marinelli Busilacchi E, Rossi E, Di Criscio F, Santarelli L, Poloni A
所属 Department of Clinical and Molecular Sciences, Polytechnic University of Marche 資料区分 論文
雑誌名 Int J Mol Sci 文献区分 原著論文・短報
発表年 2025 周波数区分 商用周波(50/60Hz)
巻/ISSN(号):ページ 26 (13): 6035 研究区分 細胞研究
Italy PubMed ID 40649814
論文情報入手日 2025-07-01 DOI 10.3390/ijms26136035
キーワード ELF-MF; PBMCs; immune function; metabolic pathways; mitochondrial ADP/ATP transport; proteomic profile.
概要 超低周波(ELF)磁界へのばく露は、末梢血単核細胞(PBMC)を含むヒト細胞に生物学的変化を生じる可能性がある。しかしながら、この細胞応答の根底にある分子メカニズムと主要な制御因子は、依然としてほとんど解明されていない。この研究は、3名の被験者から単離したPBMCのプロテオームプロファイルを解析した。PBMCを50 Hz、1 mTのELF磁界に24時間ばく露し、同一被験者の未ばく露PBMCと比較した。その結果、ELF磁界ばく露は、細胞増殖、細胞生存率、細胞周期の進行に影響を与えることなく、幾つかのPBMCタンパク質の発現レベルを変化させた。合計51個のタンパク質が発現増加し、そのうち36個は細胞代謝プロセス(GO:0044237)および代謝プロセス(GO:0008152)と相関関係にあった。中でも、ミトコンドリア内膜を介した細胞質ADPとミトコンドリアATPの交換を触媒する溶質輸送体ファミリー25メンバー4(SLC25A4)は、ELF磁界にばく露した全てのサンプルにおいて一貫して上昇していた。さらに、67個のタンパク質が下方制御され、その多くはT細胞共刺激(GO:0031295)、細胞活性化(GO:0001775)、免疫系プロセス(GO:0002376)に関連するもので、ASPSCR1、PCYT1A、PCYT2、QRAS、REPS1などが含まれていた。ELF磁界ばくはヒトPBMCにおいて、細胞生存率や増殖を損なうことなく、ミトコンドリアタンパク質の上方制御と免疫活性化関連タンパク質の下方制御を特徴とする代謝リプログラミングを誘導する、と著者らは結論付けている。