電磁界情報センター Japan EMF Information Center

電磁界情報データベース 論文、公的文書、規制、書籍などを収録対象としています。

前のページに戻る

最終更新日:2025-08-20

検索結果(詳細)

タイトル Protective effects of quercetin against 3.5 GHz RF radiation-induced thyroid dysfunction and oxidative stress in rats
日本語タイトル ラットにおける3.5 GHz高周波放射誘発甲状腺機能障害および酸化ストレスに対するケルセチンの保護効果
著者 Bektas H, Bese Akgun BB, Cakir S, Dogu S, Ahnas B
所属 Department of Biophysics, Faculty of Medicine, Van Yuzuncu Yil University 資料区分 論文
雑誌名 Electromagn Biol Med 文献区分 原著論文・短報
発表年 2025 周波数区分 高周波(300kHz-30GHz)
巻/ISSN(号):ページ Online 研究区分 動物研究
Turkiye PubMed ID 40625224
論文情報入手日 2025-07-01 DOI 10.1080/15368378.2025.2528732
キーワード 5G; SAR; endocrine disruption; oxidative stress; quercetin; radiofrequency radiation; thyroid hormones.
概要 この研究は、雄のWistarラットの甲状腺ホルモンレベルと酸化ストレスマーカーに対する3.5 GHz 高周波(RF)放射の影響、ならびに天然抗酸化物質であるケルセチンの潜在的な保護的役割を調べた。28匹のラットを擬似ばく露群、RFばく露群、ケルセチン投与群、RFばく露+ケルセチン投与群の4群に無作為に割り付けた。RFばく露は3.5 GHz(2W)で2時間/日、5日/週、30日間実施した。ケルセチン投与群にはケルセチン(20 mg/kg)を腹腔内投与した。血清中のT3、T4、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル、および甲状腺組織中の総抗酸化能(TAS)、総酸化能(TOS)、グルタチオン(GSH)、マロンジアルデヒド(MDA)レベルをELISAで分析した。その結果、RFばく露は、T3およびT4を有意に減少させ、TSHを増加させ、MDAおよびTOSを上昇させ、TASおよびGSHのレベルを低下させた。ケルセチン投与はこれらの影響の一部を回復させる傾向を示したが、全ての変化が統計的に有意な変化に達したわけではない。比吸収率(SAR)シミュレーションでは、甲状腺領域におけるエネルギー吸収の増加が確認された(平均SAR:1.128 W/kg)。これらの知見は、3.5 GHzのRF放射が甲状腺機能および酸化還元恒常性を阻害する可能性があり、ケルセチンは限定的な生化学的保護効果を発揮する可能性があることを示唆しているが、その有効性を確認するには更なる研究が必要である。関与するメカニズムを解明するには、更なる長期的分子生物学的研究が必要である、と著者らは結論付けている。