タイトル |
The Numerical Assessment of RF Human Exposure to Microwave Ovens with Contact-Type Doors
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日本語タイトル |
接触型扉付き電子レンジによる人体への高周波ばく露の数値評価
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著者 |
Tian R, Wei JC, Lu M
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所属 |
Key Laboratory of Opto-Electronic Technology and Intelligent Control, Ministry of Education, Lanzhou Jiao Tong University
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資料区分 |
論文
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雑誌名 |
Electronics
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文献区分 |
原著論文・短報
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発表年 |
2025
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周波数区分 |
高周波(300kHz-30GHz)
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巻/ISSN(号):ページ |
14 (5): 873
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研究区分 |
ドシメトリ
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国 |
China
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PubMed ID |
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論文情報入手日 |
2025-03-16
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DOI |
10.3390/electronics14050873
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キーワード |
cardiac pacemaker; electromagnetic exposure; thermal effects; specific absorption rate; bio-heat transfer
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概要 |
複雑な電磁環境下では、心臓ペースメーカーは容易に干渉を受ける可能性がある。一般的な家電製品である電子レンジは、電磁波漏えいを起こす可能性があり、ペースメーカー装着者にリスクをもたらす可能性がある。この研究は、様々な条件下におけるペースメーカー装着者の電磁波ばく露を評価している。条件の一つは電子レンジから人体までの距離を変えることであり、もう一つは電子レンジのドアの隙間を変化させることである。COMSOL Multiphysicsを用いて、心臓と単極ペースメーカーを備えたヒトの胸腔モデル、および接触型ドアを備えた電子レンジのモデルを構築した。その結果、胸腔および心臓組織における比吸収率 (SAR10g) および温度上昇は、マイクロ波源からの距離に反比例することが示された。これらは、電子レンジのドアの隙間サイズに正比例していた。誘導される電界強度、温度上昇、およびペースメーカーにおける誘導電圧も同様の傾向を示した。最大のドアギャップを持つ電子レンジに人体が最も近い場合 (D = 100 mm, d = 0.3 mm)、胸腔および心臓組織のSAR10gおよび温度上昇は最大値に達したが、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを大幅に下回っていた。同様に、ペースメーカー内の温度上昇および誘導される電界強度の最大値は、ISO 14708-3 (+2 °C) および IEC 60601-1-2 (28 V/m) で推奨される安全基準を下回っていた。ペースメーカー電極での最大誘導電圧は5.322 mVであり、単極ペースメーカーに対する ISO 14117 (2 mV) で推奨されるセンシング感度設定を超えている。これらの発見は、接触型ドアを備えた電子レンジからの電磁波放射は、通常の使用条件下では人間の健康を脅かさないことを示している。しかしながら、誘導電圧の最大値は、一部の単極ペースメーカーのセンシング感度を超えており、単極ペースメーカーの動作に影響を与える可能性がある。この現象は、臨床医および患者からの注意が必要である。ペースメーカー装着者は、電子レンジを使用する際は距離を保つことを推奨する、と著者らは結論付けている。
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