【背景】鍼治療のツボが、ミリ波治療のいくつかの適用においてばく露ポイントとして用いられる理由は明確でない。鍼治療のツボは、直流および低周波の電気学的特性および光学的物性が周辺組織に比べ特殊ではないかと思われている。目的 :治療に用いられるミリ波周波数で、そのような生物物理学的相関があるか否かを評価すること。 【方法】前腕皮膚上のツボの50-75 GHzでの誘電特性を調べ、同側のツボ周辺対照部位および対側の対応する対照部位と比較した。 テフロンプラグを詰めた方形導波管開口部での複素反射係数の測定をベクトルネットワークアナライザを用いて行った。 測定スポットの皮膚の誘電物性は開口部アドミタンス適合モデルを用いて計算した。3カ所(ツボ、同側の対照、対側の対照)の比較をANOVAで統計学的に分析した。 【結果】ツボとツボの周囲の誘電特性は、複素誘電率の実部が50 GHzから約61 GHzまでにおいていくらか差異があることが見出された。
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